retrogamer128の挑戦

レトロPC、レトロゲームの活用、修理、はんだ付け初級者の挑戦と成長の記録

このブログの目的について

はじめて触ったPC(マイコン)はMZ-80

 

以来、パソコン、ゲームに親しんできました。

 

ただし、動かなくなったら諦める、不便があっても工夫をしたり手を加えたりしないという、「そこにあるものを使う人」という立ち位置でした。

 

物持ちは良い方で、MZ-80、700、1500、MSXぴゅう太PC-9801セガマーク3、ファミコン・・・様々なハードが稼働中ですが、数年前から故障が目立つようになりました。

 

また、MSXのジョイパッド、ドリームキャストのドライブレス化・・・便利なものは高い!自分で改造したり、作ったりできれば、安価だし、楽しいだろうな。

 

そのような事情から、40を過ぎてからはんだごてを握り始めました。電子工作は、高校時代に盛大にコケているのでリベンジです。それを契機に、いろいろな挑戦をしてきました。

 

作業ログはtwitterのモーメントにまとめていたのですが、だいぶ煩雑になってきたので、ブログに整理することにしました。

 

記事は、初級者(私)による、初心者向けの内容です。私がはんだこてを握り始めた頃、「こんな記事、動画があったら良いのに」と思い描いたものを形にしていこうと思います。

 

中上級者から見れば、あまりに稚拙であったり、つまらない内容だと思いますが、このブログを通してヒントや勇気を得る方が一人でもいらっしゃるようなら嬉しいです。

 

最新の記事は、twitterをご覧ください。

 

では皆様、楽しく行きましょう!

 

twitter.com

ぴゅう太で遊ぶ-4 カセットテープの修理

ぴゅう太に限った話題ではないのですが・・・

 

ぴゅう太 の#カセットテープ「黒ひげ危機一髪&スロットマシン」をデータ化しようとしたのですが、データレコーダーで再生すると空回り・・・修理が必要な状況となりました。

 

このようなケースでは、以下のような故障が予想されます。

  1. テープが切れてしまっている
  2. テープのストッパーが破損している(テープは切れていない)

テープが切れてしまっている場合には、「補修テープ」を使って修理することができるのですが、記録されている箇所が切れてしまっている場合には、データが失われています。

 

分解すると、テープ切れではなくストッパーが破損して外れているだけ!良かった!

 

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ジャンクからストッパー部分を取り出して修理しました。

 

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修理完了。

 

無事、データ化することができました。

 

昭和を生きてきた人間としては、あるあるの故障なのですが、そもそも、カセットテープを扱ったことがない方も多いのでしょうね。

 

レトロゲームで遊んでいる若い方もいらっしゃると思いますので、記事にしました。

 

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太陽光でUVEPROMの消去はできるのか?-2 結果のまとめ

【要旨】

UVEPROM(紫外線消去型EPROM : Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory)を消去するためには、250nm(2500Å)程度、かつ一定以上のエネルギーを持った紫外線照射が必要であり、通常は、UVEPROMイレーサーや殺菌灯を用いる。

私は、UVEPROMイレーサー、殺菌灯を所有していなかったため、太陽光で消去が可能であるか検証した。

データ書き込み済みの2764(UVEPROM)2個を、窓ガラス越しに太陽光に晒したところ、13日間(合計照射時間147時間)で消去が完了し、ブランクチェックをパス、書き込みが可能な状態となった。

太陽光によりUVEPROMの消去が可能であることが示されたが、消去に要する時間は、緯度による紫外線量、天候などに大きく左右されると推察される。また、今回使用したUVEPROMは8KBと容量が小さなものであり、容量が大きなものでは、消去までにさらに時間を要する可能性もある。

UVEPROMイレーサーを利用すると、複数個のUVEPROMを10分程度で消去することが可能であり、実用性という面では、太陽光照射よりもUVEPROMイレーサーの導入を強く推奨する。

 

【Abstract】

In order to erase UV EPROMs (Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory), it is necessary to irradiate them with ultraviolet light at around 250 nm (2500 Å) and with a certain level of energy. In general, UVEPROM erasers or germicidal lamps  is used to erase UV EPROMs.

Since I did not have a UVEPROM eraser or a germicidal lamp, I verified whether it was possible to erase the data with sunlight.

Two 2764 (UVEPROM) with data written on them were exposed to sunlight through a window glass, and the erasure was completed in 13 days (total exposure time: 147 hours), and they passed the blank check and became ready for writing.

Although it was shown that UVEPROM can be erased by sunlight, the time required for erasure is estimated to be greatly affected by the amount of ultraviolet rays and weather conditions depending on the latitude. In addition, the UVEPROM used in this study has a small capacity of 8KB, and it may take more time to erase a large capacity one.

The UVEPROM eraser can erase multiple UVEPROMs in about 10 minutes, and I strongly recommend the use of the UVEPROM eraser rather than the sunlight irradiation for practical use.

 

【方法】

8KB全域に渡ってデータ書き込み済の2764(UVEPROM)を2つ用意した。ラップ、ガラスを介さず、直接日光に当てることが望ましいと考えたが、風雨よりEPROMが故障する可能性があるため、2764を窓際(ガラス窓、UVフィルター等なし)に設置し、初日は3時間、2日目以降は6時から18時までの12時間日光を照射した。

ROMライタ(プログラマ)でバイナリダンプを行い、"FF"となっている箇所が占める割合を消去率と定義し、1日毎に記録した。

8192KB全てが"FF"となり、ROMライタのブランクチェックをパスすることを確認し、消去完了とした。

消去までの時間を左右する要因として、天候をあわせて記録した。

 

 

太陽光でUVEPROMの消去はできるのか?-1 実験を行った理由

レトロPC、ゲームで遊んでいると、UVEPROM(紫外線消去型EPROM : Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory)を取り扱うことがあります。

 

私は、

・MZ-80のモニターROMのカスタマイズ → 2532、2732

ぴゅう太のカートリッジ → 2764

などを使っています。

 

これまでは、書き込んだものはそのまま継続して使用しており、必要になれば新しいERPOMを購入していたのですが、この度、書き換えが必要な状況になりました。

 

UVEPROMの消去には、データシートによれば、250nm(2500Å)程度の紫外線照射が必要です。UVEPROMイレーサーを使うことが多いと思います。

 

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UVEPROMイレーサーの一例

私は、イレーサーを持っておらず、購入しても、離島在住のため、到着までに3週間~1ヶ月程度を要します。

 

そこで、UVEPROMイレーサーの到着を待つ間に、太陽光での消去を試みました。その過程と結果を、いくつかの考察を含めてまとめたいと思います。

 

【追記】

 

実は、イレーサーを購入した経験はあったのです。しかし、結果は以下の通り。

 

1回目:日本国内100V用のイレーサーを注文したのに220V用のものが届いた

→「変換器を使ってください」と返品拒否

2回目:タイマー、スイッチの初期不良

→「発送時は問題なかった。あなたの使い方が悪かったから壊れたのでしょう。」と返品拒否

 

手元に使えないイレーサーが2個ある状況でした

 

<UVEPROMイレーサー購入の際の注意事項>

・日本向け、100V電源用のものを買うこと
・信頼できるセラーから購入すること(aitendoさんなどからも購入できます)

 

ぴゅう太で遊ぶ-3 カセットテープからのデータ読み込み

カセットテープの読み書きは、ぴゅう太の鬼門となっています。

 

・カセットテープのロードができない

 買ったソフト、ゲームを遊べない

 

・カセットテーブにセーブできない

 折角入力したG-BASICのプログラムを保存できない(保存したつもりができてない)

 

まずは、読み込みの問題を解決することにしました。

 

私の場合について記載しますが、機種選定、方法が、そのまま読者の皆様の環境で使えるかどうかわかりません。体験談として読んで頂き、ご自身の環境で試す場合の参考にしていただければと思います。

 

さて、安定した読み込みのために大切なのは、

  • データレコーダーの選定
  • データ転送ケーブルの選定
  • 再生時の設定

の3点です。

 

幸い、私は、純正のデータ転送ケーブルを持っていましたので、残り2点を解決する必要があります。

 

まず、機種の選定ですが、結論から。私が試した4機種について、読み込み、書き込みの可否の結果を示します。

 

  読み込み 書き込み 備考
SANYO MR-33DR ぴゅう太用として勧めている方が多い
NEC PC-DR321 X MZ-80、MSXでの読み書きは安定している
NEC PC-DR320 X
National RQ-2739 X X ぴゅう太純正と同型

 

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試した4機種

【SANYO MR-33DR】

ぴゅう太純正CMTケーブル
 赤をLOAD端子につなぐ
 白をSAVE端子につなぐ
(レコーダーと端子の色が逆)

『セーブ、ロードの2本は同時に繋がない』

・LOAD時設定
 LEVEL FIX OFF ボリューム50%、PHASE NOR(位相反転なし)

 

NEC PC-DR320、321】

ぴゅう太純正CMTケーブル
 赤をCMT OUT(シロ)につなぐ
 白をCMT IN(アカ)につなぐ
(レコーダーと端子の色が逆)

『セーブ、ロードの2本は同時に繋がない』

・LOAD時設定
 LOAD LEVEL 6.8 PHASE NOR(位相反転なし)

 

【National RQ-2739】

・様々な設定を試しましたが、一度もロードに成功しませんでした。

・純正データレコーダーと同型のはずなので、私のもの特有の問題(劣化など)が原因かも知れません。

 

『セーブ、ロードの2本は同時に繋がない』については、確かに、2本ともつなぐと失敗の確率が上がります。Web上でもいろいろな考察がされていますが、私には「これ」という原因はわかりません。

 

なお、読み込みには、音量設定が鍵となります。

  • 大きすぎ「エラーが出る(テンソウエラーなど)」
  • 小さすぎ「黒い画面のまま反応なし」

音量の調整は、

『最大音量からスタート エラー→少しずつ音量を下げる』

がコツです。

 

テープが再生されているのに何の反応もないときは、「音量が小さすぎて読み込みができていない」か「読み込みに成功している」のどちらかで、これは、読み込みが進まないと判断できません。

 

順調にロードされると、動画のように、少しずつ、画面にグラフィックが表示されてきます。

 

 

ピッという音とともに「テンソウ オワリ」が表示されたら「シ゛ツコウ」します。

 

データレコーダーでのロードのまとめ
  •  SANYO MR-33DRが最も成功の可能性が高いかもしれない
  •  NECのPC-DR320、321は、読み込みはほぼ確実に成功するが、書き込みには一度も成功しなかった
  •  National RQ-2739(ぴゅう太純正と同型)は読み書きともできなかった。劣化によるものかもしれない
  •  設定値は、皆様の環境では異なる可能性がある。
  •  『セーブ、ロードの2本は同時に繋がない』
  •  音量は最大から調整を始め、エラーが出たら少しずつ下げる

 

皆様の環境での成功をお祈りします。

ぴゅう太で遊ぶ-2 カートリッジの開け方(分解)

ぴゅう太のカートリッジを開ける(分解する)方法について。

 

多くのゲーム機のカートリッジで、この作業が困難ですが(スーパーファミコンなど、専用ドライバがあればらくなものもある)、ぴゅう太もコツが必要です。

 

私は、ROMのデータ(イメージ)の吸い出し専用の機器を作るだけの技量がないので、基板からICを取り外して、ROMライタ(プログラマ)で読み込んでいました。自分が開けたカートリッジについては、全てこの方法で対応できました。

 

1.背面のネジを外す

 

これは、説明不要ですね。しかし、ぴゅう太はここからが大変です。

 

2.前後のカバーを開くように力を加える

 

私は、指で力を加えて隙間をつくり、マイナスドライバーをねじ込んでいます。傷がつくことは避けられないかなと思います。

 

3.もう一本のドライバで爪を外す方向に力を加える。

 

これが最も難しい作業となります。まず、カートリッジの構造から理解します。

 

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カートリッジを開けたところ。爪と、爪がはまり込む箇所について理解します

爪がはまり込む箇所には、ケースの内側、外側にパーツが付いています。内側の方に爪が引っかかるようになっています。

 

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丸印(ケースの外側の部品)は、柔らかく、変形します。ケースの内側の部品(丸の無い方)は、硬く、ほとんど変形しません。

 

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爪を押す方向

したがって、写真のような方向に力を加えると、柔らかい方のパーツが外側に変形し、爪が外れます。

 

この力加減はかなり難しいです。カートリッジ自体が経年劣化しているので、簡単に割れてしまうこともあります。

 

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外し方の実際

作業の実際は、上の写真のようになります。ケースを前後に開きながら、爪に力を加えています。

 

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うまくいくと、シールを傷つけずに開くことができます。

 

 

ROMライタ(プログラマ)導入記-3 GQ-4X4を見つけた!

そして、要件を満たすものをようやく見つけました。

 

 

製造元のWebはこちら

 

www.mcumall.com

 

2532は読み込みのみで書き込みはできませんが、2732は読み書きが可能。これなら、MZ-80ではゲタ(変換基板)を履かせて使用することができます。

 

 

ただし、21V等の高圧を必要とするEPROMに書き込むには、「9Vセンター+ 外径5.5mmφ、内径2.1mmφ」のACアダプタを別途購入する必要があります。ご注意を!!

 

結果、GQ-4X4は、現在、私の環境では、ROMライタの主力として活躍しています。

 

 

値段は高めでしたが、納得の行く買い物でした。

 

なお、返品できなかったTL866ⅡPlusですが、最近のEPROMに対しては十分な機能を持っており、また、PLD(Programmable Logic Device)の一種である、GAL (Generic Array Logic)のJEDECフォーマットの書き込みに対応しています。

 

GALを扱う機会も増えたため、最近になって、TL866ⅡPlusの使用頻度も上がってきました。

 

GQ-4X4とTL866ⅡPlusの2個態勢で、快適に運用することができています。

 

ROMライタ導入記のまとめ/span>
  •  古いEPROM(書き込みに高い電圧を要するもの)には対応していないROMライタがある
  •  現在メジャーなライタの一つであるTL866ⅡPlusは、2532、2732には対応していない  
  •  TL866ⅡCS、Aは2532、2732に対応しているが、回収されており、市場には存在しない
  •  現在「TL866ⅡCS、A」として販売しているもののほとんどはTL866ⅡCSである
  •  GQ-4X4は、2532の読み込み、2732の読み書きに対応している
  •  TL866Ⅱは、GALの書き込みにも対応している

 

ROMライタの購入では苦労もしましたが、レトロPC、レトロゲームで遊ぶ幅が一気に広くなりました。

 

皆様が購入されるときの参考になれば幸いです。

 

ROMライタ(プログラマ)導入記-2 TL866ⅡA,CSはもう市場には存在しない

「TL866ⅡCS、TL866ⅡAを購入しよう!」とターゲットは決定しましたので、探します。

 

Amazon、Aliexpressなどで、かなりHitしました。「旧機種なのに、まだどこでも買えるんだ!」と驚いたものです。おそらく、この記事を書いている、2021年10月ころにも、まだ、相当数Hitするのではないでしょうか?

 

しかし、結論から書けば、2021年7月現在、TL866ⅡCS、TL866ⅡAは市場に存在しません。」あるかもしれませんが、おそらく、高額で取引されているはずです。

 

TL866ⅡCS、TL866ⅡAを購入しても、しれっと、TL866ⅡPlusが送られてきます。私もそうでした。

 

Twitterのフォローワーさんからの情報では、デッドコピーが大量に出回ったため、TL866ⅡCS、TL866ⅡAは回収されてしまったのだそうです。

 

回収騒ぎは、こちらからも読み取れます。

ここで一つ問題があります。業者は、「TL866ⅡPlusは、CS、Aの上位互換で、もっと上等だから」と主張しています。しかし、実際には、上述の通り、特に古いEPROMには対応してないのです。

 

さて、では、Amazon、Aliexpressなどでは、どのような表記で売っているのか?

 

良心的な販売者は、「TL866ⅡPlus」のみしっかり明記して出品しています。しかし、「TL866ⅡCS、TL866ⅡA、TL866ⅡPlus」と併記されている出品はありませんか?よく見てみてください。商品説明に、TL866ⅡCS、TL866ⅡA、TL866ⅡPlusと商品名を混在させたり、「実際にはTL866ⅡPlusを送ります」などと書いてありませんか?これが売り手のやり口です。

 

私が購入したページには、TL866ⅡPlusの記載はなかったのですが、、TL866ⅡCS、TL866ⅡAの表記が混在していました。

 

しかし、誤った商品が送られているのですから(TL866ⅡPlusの表記はなかった)、返品の申請を行いました。

 

返答は以下のとおりです。

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販売者からの返答

「上位互換なんだから良いでしょう?」ということです。結局、返品、返金には応じてもらえませんでした。

 

返品、返金は諦めることにしましたが(結果として、TL866ⅡPlusはその後大活躍することになります)、どうしても2532、2732に書き込めるROMライタが必要だったので、TL866ⅡCS、TL866ⅡAという商品名で販売している全ての業者(20社ほど)に、質問をしてみました。

Hello.
Is the one you are selling the TL866A, as per the description and pictures?
I would like to buy the TL866A, not the TL866IIPlus.

結果は、全ての返答が、

  • TL866ⅡPlusは市場にはない(回収された)
  • 販売しているものはCS、Aではない。
  • TL866ⅡPlusはCS、Aの上位互換なので、問題はない

でした。

さあ、困りました。他に、2532、2732に対応したROMライタはあるだろうか?

Webで検索を続けました。